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バレエ「くるみ割り人形」って?(歴史編)

2024.10.9

 暑い夏が続きましたが、ようやく秋らしくなってきましたね。芸術の秋、皆様もこの過ごしやすい時期に様々な芸術を鑑賞したり、ご自分の日頃の成果を発表なさったりしているかと思います。
 今日は、12月15日(日)のジョージア国立バレエによる「くるみ割り人形」に先駆けて、このバレエのお話をしたいと思います。
 ロシアが生んだ世界的な作曲家、チャイコフスキーは「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」など、バレエ音楽でも有名ですが、1892年に初演された「くるみ割り人形」は彼の最後のバレエ作品になります。クリスマス・イブの夜に主人公の女の子が夢の中で体験する不思議な冒険物語ですが、初演は必ずしも成功とは言えなかったようです。しかし、1940年代に入って、欧米でも上演されるようになり、1944年のサンフランシスコ・バレエの大成功以来アメリカで、1952年以降はイギリスでも、クリスマスシーズンに上演されるようになります。中でも、20世紀を代表するバレエ演出家のジョージ・バランシンによる1954年以降のニューヨーク・シティ・バレエ公演が、欧米での「くるみ割り人形」の人気を不動のものにしたと言われています。
 今では世界中で様々な演出家によるバージョンがクリスマスシーズンを彩ります。例えば、ロンドンの公演では舞台はジョージア朝時代(18世紀から19世紀の初め)のロンドンが舞台で、主人公の名前はクララ。ニューヨークでは主人公の名前はマリーです。12月の新潟県民会館でのジョージア国立バレエの公演の舞台はジョージアの首都トビリシで主人公の女の子の名前はバーバラです。もちろん、主人公の名前や舞台だけでなく、演出家によって、場面構成や振り付け、配役の仕方も様々です。
 私も、ニューヨークやロンドンに住んでいた頃には、「くるみ割り人形」を見ていましたが、大人も子どもも楽しめるこのバレエは、クリスマスシーズンの定番のお楽しみでした。今でも、ニューヨーク・シティ・バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエは11月の末から1月の初めまで1か月強もの公演を続けます。噂によると、アメリカの多くのバレエ団は、年間の予算の4割位を「くるみ割り人形」で稼いでいると言われるほど、超人気の演目なのです。
 皆さんもぜひ、12月15日(日)の公演にいらして、時代を超えて世界中の人々を魅了するバレエ「くるみ割り人形」の魅力を発見してください!               (館長)

ジョージア国立バレエ「くるみ割り人形(全2幕)」(2024年12月)

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